2009年12月14日月曜日

祖国を離れて、頑張る人々。。 

私は、バンフにある、バンフセンターという所で働いています。発祥は、1933年 (世界大恐慌の真っ只中)に、アルバータの北、エドモントンにある、アルバータ大学の、夏季演劇スクーリングのブログラムが、バンフで始まったのに、由来しています。 当時のこの、スクーリングは、バンフのダウンタウン (現在のインフォメーションセンターの場所)で、行われていました。 こんな美しい山々に囲まれた、景観の中で、学ぶ事を通して、それぞれの、想像力、演技力が、開花する!と言う 理念に、基づいていました。 現在の、バンフセンターの、モットーも、”Inspire Creativity"  (創造性を開花する)を、謳っています。。

スクーリングの理念に、賛同し、音楽、バレエ、その他の、芸術プログラムが、この場で、行われるようになり、『Banff School of Fine Arts』 に成長しました。 初期の、社長であった、Donald Cameron氏が、国(パークスカナダ)と交渉し、このバンフ国立公園の中に、47ヘクタールの土地を、誘致してもらう事に、成功。 現在の場所に、移転してきました。

その後、1950年代に、企業マネージメントに携わる人達に対応する、リーダーシップデベロップメントのプログラム、コンファレンス部門などが、加わり、今の姿へと、成長してきている 教育機関です。 

先月、日本から、雑誌の取材が来て、『バンフセンターを、一言で説明していただくと?』という質問には、うまく答えられませんでした。 なぜなら、『生涯教育センター』でもあり、『芸術学校』でもあり、カナダで、2番目に大きな、『コンファレンスセンター』でもあり、『企業マネージメント育成スクール』でもあり、運営資金の、30%弱は、公費。残りは、自前で、稼いでいて、日本で言うところの、第3セクターのようでもあり、でも、収支の上では、Non-Profit Organization (NPO)であり。。。。最終的には、『長くなりますが。。』と、80年弱の歴史を、急いでお話しました。 ここと、同じようなことをしている、同じような姿の機関や、施設が、世界にも、ほとんど類を見ない。。ってところが、ユニークでもあり、説明困難な理由でもあります。

宿泊設備があり、(現在は、一般のホテルと同等クラスの部屋を、400弱所有 -いまだに、センターの部屋は、あちこちの人に、ドミトリー(寮)と、思われていますが、実際、見たら、びっくりしますよ~。) 食事が出来る設備が、充実していて、教室および、会議場があり、そして、学んだことを発表できる、コンサートホール、劇場があり。。。ここで、暮らす、Residential Artist (短くて、3週間、長いと3ヶ月のプログラムとかに、参加して暮らすアーティスト)の人にとっては、部屋は、ハウスキーパーが、食事は、Food and Beverageが、してくれるので、己の、作品、作業に、一日中没頭、邁進できる (せざるを得ない!?)という、環境を提供しています。

私は、ここの、コンファレンスで、働いて、もうすぐ10年です。初めて、フルタイムの社員になったとき、会社の既定が、つらつらと、書き並べられている書類を、読んで、ちょっと感動しました。

ここの人事課の正式書類に、『働く人を、その人の言語、人種で、差別してはいけない。』と、明記されていたからです。 その文字が、私の脳裏には、ぴかぴかと、光って、見えるくらいでした。

本当に、いろんなルーツの人が、一緒に仕事をしています。今では、私には、普通の日常ですが、たぶん、日本のような、単一民族国家の歴史が長かった国の人には、ちょっと特殊なことかもしれません。 

カナダ人という、人種に、特定の”血”は、存在しません。この国に、生まれた人、移民から、市民権を得るにいたった人が、全て、カナダ人です。

私の周りのカナダ人は、ルーツをたどると、オランダ、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス。。。と、ヨーロッパ系、および、カナダの、アボリジニ (先住民族)の血が、混血したり、いわゆる、雑種。。という血の人も多い。(昔、バンクーバーに住んでいた事、知り合いだった、カナダ人の男の子が、自分は、7つ、違う血が入っていて、雑種だから、病気に強い!と、自慢してたっけ。)

もともとを、たどったら、みんな、『祖国を離れて、頑張る人』っていう、DNA持ち、が集まる国なんだろうなぁ。と思う。

私は、市民権は持っていないので、永住権を所有する日本人。でも、仕事の上での差別も、区別も全くありません。肩書きは、マネージャー級のタイトル付きの職種のため、私の指示に従って、動いたり、働いてくれるチームを引っ張って、担当コンファレンスや、海外学生教育プログラムなど、進めていくにあたっても、たくさんの、スタッフが、とっても、気持ちよく働いてくれます。

近年は、ワーキングホリデー制度とか、ワークビザの制度で、カナダに在住する、韓国人、日本人、オーストラリア人、ニュージーランド人。
インド系の移民、ロシア系移民、ベトナム系移民、ペルー系の移民。。。こんな小さな町なのに、とっても、国際色豊かな、人々に、彩られる職場に恵まれています。

去年からは、フィリピンからの、労働ビザの、スタッフが、十数人、ハウスキーピングで、働いています。彼らは、本当に、働き者で、お仕事も、キチンと丁寧にやり、回りからも、感謝される存在。
でも、今日、同僚に、聞いたら、中には、何人も、祖国に、家族を残してきていて、仕送りしている人が、いる。。って。

今日、聞いた話。。とあるスタッフは、祖国に、旦那様と、7歳の男の子と、3歳の女の子を残して来てて、子供は、その旦那様と、彼女のお母さんが、面倒を見ている。。んだそうだ。 私に、そのことを彼女から、聞いて、びっくりして、報告に来た同僚が、『なんで、そんな暮らしするんだろう。残された子供達が、不憫だ~。』って。私が、半分は、憶測で、『きっと、カナダで、稼いだお金を、ほんのちょっと送るだけで、フィリピンでは、たくさん暮らせるくらいのお金に、換金できるんじゃい!?』。。。。。

家に、戻って、光とその話になって、フィリピンの、生活事情や、物価、換金レートなど、調べてみた。やっぱりそうみたい。。。 カナダで稼いだお給料を、もし、ひと月、300-400ドル、(3-4万円) 祖国に送ることができたら、フィリピンで、大人二人分の、平均月給くらいにあたるらしい。。。

そんなそぶりは、全く見せず、てきぱき、毎日、明るく働く姿。。。心から、応援したい気持ちになります。

祖国を離れて、頑張る人々。。。。(一応、私も、この仲間に入っています!!)
今日も、元気に。 明日も明るく、前向いて、歩こう~~!!。

彼女は、ファイナンシャルオフィスで働く、韓国人の、Sol (ソル)ちゃん。ワーキングホリデーで、経理に入った、つわもの~。今は、労働ビザ。来年に、ビザの、更新が、できるかどうか、近々の、事情で、定かじゃないけど、一緒に働いていて、気持ちの良い、女の子です。(私の、娘でも、おかしくない年~~!) 先週、縁あって、一緒にランチした時に、写真は、めっちゃ恥ずかしい~~!!。って、いやがったけど、上手く撮れちゃいました~。

2 件のコメント:

あるある さんのコメント...

とあるコメディアンのお婆様は戦争などその他色々苦労されていたにも関わらず、大往生なさるまで本当に前向きでよく笑い明るい方だったんですって。で、その孫息子であるコメディアンの方が ”お婆ちゃん、なんでそんなに前向きなん?”と聞いたら”後ろ向きには歩きにくい(笑)”素敵。
”前を見て元気に歩こー”!その言葉は言霊が溢れかえる響きを持っていますね!その通り。人が益々いとおしくもなる言葉に感じました。

小粒 (こつぶ) さんのコメント...

良いねえ。そのおばあちゃん!私も、同感。後ろ向きには、歩きにくい。。。ず~~っと、前向き。あとは、笑顔だね!。