1988年。Vancouver。 Working Holiday時代。
回りの人々に恵まれて、良いタイミングで紹介もあり、PCS (Pacifico Creative Service)という現地旅行会社のカスタマーサービスで、雇って頂いた。
昼間は、Officeで、事務仕事。夕方にツアーから戻るガイドさんのための、書類、バウチャー、その他の準備。。
私は、日本に居た時は、(特殊教育の現場ながら。。)『先生』だったから、『職員室』で、働いていたことはあったけど、一般事務所。。ってのは、初めての経験。。
それも、日本生まれの、日本育ち100%の、カナダ生活暦1年目。。なんてのは、そこのオフィスでは、珍しい存在だった。
日本人も、みんなカナダ生活バリバリに長い人ばっかり。
日系カナダ人の、Dianne, Julie, Tomoko..若い女の子達も、みんな英語の人だった。
はじめ、オフィスで、何がどきどきだったかって、電話の対応だった。
『Good morning, JALPAK. May I help you?』。。 内心こんな事は言いたくない。だって、何をどう、助けるか、まだ、ぜんぜん分かってない。
『Can I speak Mr. XXX?』 向こうの声。
『Yes, just one moment please!』 と、電話をフォワードできたら、セーフ。
『I am sorry, he is away from office at this moment.』 -きゃー、どうしよぅ。。
『Can I take your message for him?』 -あ!~。また、聞きたくないこと聞いちゃったぁ。
ここからが、毎回冷や汗だった。 何をメッセージにしたいのかも、そうなんだけど、なんせ、名前が聞き取れない。。。
メッセージが、ひたすら長かったら、電話番号と、名前だけは、間違えずに、聞き取っておかないと、コールバックする同僚、ボスに迷惑がかかっちゃうう。。。
電話番号は、聞き取ったら、必ず、もう一度、こちらから、繰り返して言い、確認。
名前は、『How to spell your last name?』 (ラストネームが難しいことが多い。。)と、お願いして、ゆっくりアルファベットで、一つづつ繰り返してもらい。。。。。
電話だと、さらに、Vと、B, Dと、G、Mと、Nが、聞き分けにくくて、大変だった。 あ、後、Pと、Tも。
V as Vancouver
B as Boy
D as David
G as George
M as Mike
N as Nancy..... みたいに、言ってくれる人ばかりとは、限らない。。
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こりゃ、聞き取れなかったら、お仕事どころか、基本会話すら始まらない。。。。と、身に染みて、オフィスで、仕事する最中は、オープンスペースのオフィスだったから、仕切りの壁などがなかったことを良い事に、とにかく、Julieや、Dianneが、しゃべっている言葉に、ヒマさえあれば、神経を集中して聞き耳を立てていた。
当たり前なんだけど、彼女らの、Nativeの、音は、初めはめちゃくちゃマネしずらく、そして、とても、早口で、同じ文章でも、日本人がしゃべる英語が、聞き取りやすかったし、マネしやかった。
とにかく、どういう時に、どんな風にしゃべっているかを、『聞こえない!』『分からない!』『どうしよう!』という、自分の声が、脳みそを占領してしまわないうちに、単語、構文、言い回し。。を、そのまま、脳みそに、擦り込もうと努力した。
幸い、私の周りのWorking Holidayの人は、まゆみちゃんにしても、ともちゃんにしても、何人も、時の私より、ず~~っと、英語が上手な人が固めていたので、(これも、恵まれていました。) レストランに行っても、カフェに行っても、お手本になる言葉のやり取りが、あふれていた。
聞き取れるようになると、真似できて、すこし、しゃべれるようになる。 また、さらに、聞き取れるようになると、また、しゃべりのレベルが上がっていく。 会話の世界では、Hearingの、能力が、Speaking の、能力を常に、引っ張っていく。
そして、もうひとつは、『伝えなくちゃいけないこと!』っていうのが、明確にあること。。
どうでも、よく、どっちでもよければ、会話は深まらないし、進まないし。。
PCS時代、聞いた笑い話。 PCSの上司だった、Yoshieさん。
彼が、『めーちゃん。俺は、昔、英語だと、とっても良い人だったんだよ。。だって、NOって言っちゃって、別の意見を言うのは、大変だったから、何時も、妥協して、Yes! Yes!ってさ。そんな自分の二重人格が、ホント、イヤだったよ。』って。。
そうだろうな。。と、思った。その言葉を聴いて、私の大きな目標がまた、一つ決まった。
日本語人としても、英語人としても、同じ人格を、表現できること。
そして、小さな目標としては、大事な事が聞き取れなかったら、『YES』とは言わない。。ってこと。
日本人が、ちゃんと、聞き取れていないのに、『YES』 『YES』と、会話が進んで言っちゃう場面を、今でも、時々見かけます。 それで、自分の思い込みと違う事が、現場で、起きると、文句を言う。
たぶん、その 『YES』は、相手の意見に賛同する意味の『YES』じゃなくて、日本語で、人の話を、流して聞く時に言う、『はい、はい。。それでぇ?』的意味の、相づち言葉の直訳なのかもしれない。
文句を言っている人に、『どうしました?』と、聞くと、『フロントの人に、こういわれた。』とかって、息巻くので、フロントに聞きに行くと、ぜんぜん、会話の本筋自体が、違っていたり。。
英語が上手に使える人になりたかったら、
-ちゃんと、聞き取る。 (Assume-想定-しない。)
-YES NOの、意味を、キチンと使い分ける。
-自分の言いたいこと、伝えなくちゃいけないことが何かを、ちゃんと、日本語で、理解する。
テレビの、クローズキャプションとかが、昔から、あったら、もっと、早く、聞き取りが、出来るようになっただろうな。。。と、思う。。。
日々、便利になり、国際化の進む世の中。
使えるもの、人、場。。たぶん、その気になって探したら、皆さんの回りにも、沢山あると思いますよ。
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じたばたしつつ、私の英会話能力は、赤ちゃんレベルから、よちよち歩きレベルへと、向かいました。
最近の、私の一番の英語(一般会話)の先生は、ランチの友のLynneです。
俗語から、隠語から、言い回しから、発音まで、叩き込まれ?ていますです。
(ねぇ。あけみしゃん。)
でも、実生活でも、彼女は、ESLの先生の経験あり。。。。。
頼もしい、友達です。