初めて、この国に来た時、この国の子供達と、日本の子供達との、合同のキャンプの日本サイドの、リーダーをする。。という任務を背負っていた。 (Yokohama YMCAと、Vancouver YMCAの、企画でした。)
当時(25年前)に日本側から参加していた子供達は、小学校4-6年生。 男女合わせて30名。そのころの日本の小学生は、アルファベットすら すらすらは、読めない。。。という代物が、ほとんどだったので、子供達は、英語が大丈夫だろうか。 現地の人とちゃんとやれるんだろうか。。少しは、私たちリーダーの方がまともだろうから、助けてあげないと。。と、内心は、考えていたと思う。
なんせ、長年、そこで、ボランティアリーダーをしていて、半分は、ご褒美で、頂いたような、ポジションだったけど、査定の過程で、理事長と英語の面接。。なんてのまで、あったし、子どもよりは、ましだろう。。と思ってた。
でも、ふたを開けたら、子供より、あたふたしたのは、私達リーダーだった。ホームステイファミリーとの最初のミーティング。 ファミリーネームが、聞き取れない!?注意事項、これからのスケジュールの確認作業、頭の中は、ほとんど真っ白で、子供たちが、すべて、現地の家族に、誘拐されたように、いなくなったあとは、放心状態だった。。
そこからは、毎日が、”必死”の、連想ゲームのような世界だった。(超真剣に、脳みそ集中して、英語と向き合った初体験。。) 現地の担当者からの話、ホームステイ中は、原則、子供達には、会ってはいけなくて、問題は、全て、電話でのカウンセリングが基本。。だから、Yに、張り付いている必要はなく、昼間は、自由に、観光やら、町を楽しんでいていいよ。 定期的に、メッセージが無いか、確認してくれれば。。と。
定期的に、Yに、電話を入れて、メッセージの確認!? よりもなによりも、町の公衆電話の使い方、料金がわからない。いくらコインを入れたら良いの? 初めてのお宅に、電話する時は、どう話を切り出したらいいの? マナーにどきどき。。(ほどなく解った、通話時間に関係なく、一通話25セント。どうりで、町角の公衆電話で、ねえちゃんが、長話しているわけだぁ。。- 携帯普及の、ず~~っと前の話です。)
子供と家族の双方から、話を聞いて、カウンセリング。。。。それはそれは緊張した。 つたない英単語を並べて、なんとか乗り切ったものの、きっと、とんでもないおかしな会話を沢山していたんだと思う。
『うちに預かっている子、足の指に、バンドエイドを巻いているんだけど、明日海に連れて行っても、大丈夫かしら?』
『明日、野球観戦に家族で行くんだけど、この子は、野球が好きか聞いてちょうだい。』
『会話にならないんだけど、今日の過ごしが楽しかったか、確認して欲しい。。』
とにかく、電話の向こうの、ホストファミリーの、細やかな心使いと、質問攻撃に、驚いた。
『私は、このYで、ボランティアをしているんだけど、今日、観光に連れて行って上げるから、XX時に、ロビーで待ち合わせ~~。』って、まるで、知らない、面識のない、こちらのボランティアスタッフの Doleen が、突然向かえに来てくれて、連日、家族のように、私達リーダーを、もてなしてくれた。 海やら、あちこち連れて行ってくれ、ご近所で夕方集まって楽しんでいるタッチフットボールだの、ファミリーバーベキューにも、呼んでくれた。 なんて、自然に、大きく、暖かい心で、もてなしてくれるんだろう!。って、半分は、きつねにつままれたまま、つれまわされる、毎日が、感動の連続だった。
いよいよ、メインイベントの、合同キャンプがやってきた。 ホストファミリーの子供と一緒に、集合してきた日本の子供達の顔は、すでに、日本を出た時とは明らかに何かが変わっていた。 目の光が変わったのか? こぎたなくなったのか? たくましくなったのか?
言葉も通じないのに、ジェスチャーと、なにやら、ボディーランゲージで、ホームステイ先の兄弟たちと、すでに、わいわいやっている子も中にはいた。
子供の本来持っている、適応能力の高さに、驚いた。 (でも、中には、数人、ホストファミリーに、ギブアップされて、返されてきた子も、いたんですけど。。 とにかく、 全くどうにも、ひと言もコミュニケーションが取れない。。っていう理由で。 その子たちは、最終的には、私達リーダーがカルガモの子みたいに、連れまわしていましたが。。。)
キャンプは、またまた、驚きと感動の連続だった。 これまた、全て書いたら、何時間かけても、書ききれないけど。。。
些細な事なんだけど、心に残ったことを一つ。
それは、Please と、Thank youの、会話だった。 ここのリーダー達は、絶対に、『命令系』 言語を使わない。例えば、子供に 席について欲しい時も、『Sit Down!』 (すわれ!)とは、決して言わなかった。。
『Sit Down, Please』 必ず、語尾に、Please をつける。そして、子供が、それに、リアクションして、座るのを見届けると、必ず、『Thank you!』と。
こんな些細な、言葉がけ、と、子供に対するリーダー達の姿勢が、私の心を打った。。
子供に対して、大人の上から目線の、命令基本の、コントロールか、型はめに、近い教育しか見てきたことの無かった私には、大地がひっくり返る!?くらいの衝撃だった。
子供の反応、動きを、待つ。受け止める。見届ける。見届けたことを、感謝の一言で、伝え返す。。。常に、一方的ではない、同じ目線の高さでの、コミュニケーション。やりとりの中に、生み出され、つみあがる関係。。を肌で感じた最初の衝撃的瞬間だった。
子供は人間としては、未完成であっても、一つの人格として、キチンと認められ、常に、理解されようとしている空間だった。 子供達も、みんな 目に力のある輝きを持ち、自分の物は自ら、管理し、自分の行動に、意味と責任を持って動いているようにすら見える、しっかりした姿だった。 最年少は、5歳のSarah という女の子。彼女も、誰の手助けも借りず、毎日、自分の身支度、身の回りの物の管理をし、日々のプログラムに積極的に自ら参加して、年上の子供達ばかりの中で、あどけない笑顔と、目を輝かせて過ごしていた。 そんな風景たちに、心を打たれた。。 沢山の子たちが、私達にも、対等に、臆せず、話しかけて来た。(子供の英語って、実は、めっちゃー聞き取りにくい。)
現地生まれの、日系のリーダーや、子供も数人入っていて、彼達が、会話の橋渡しや、ヘルプを、随所で、してくれた。
言葉が、全部わかったら。。きっときっと、もっともっと現場の心意気、文化的背景、ここの教育理念、歴史、色んなことが理解できるのに。。。。もっと、知りたい~。 もっと、解りたい。。。。 (これが、私のカナダ病の原点でした。)
苦しかったし、きつかったし、けど、学びも多かった、施設の指導員を退職して、ワーキングホリデー制度という、お気楽この上ないステータスで、カナダに渡ったのは、1988年の春でした。
それからも、色々あったけど、この国の、住人になって、23年目に突入しようという、2010年。。
住人になったら、一時の旅人をもてなすカナダ人のおもてなし精神の中での暮らしは、ある意味特殊だったのがわかった。 いつでも、暖かく受け入れられる環境ではなくなった。 そりゃそうだ。同じ条件下で、暮らす以上、外国人というステータスが、常にプラスに働く。という事はない。 (日本で暮らす、外国人一般よりは、ずっとずっ~~~と待遇は良いですが。)
英語が、ネイティブじゃないだけで、卑下して見下す人も、いないとは言えない。
ここ10年は、英語環境の職場なのと、チームに指示出ししないといけない立場なので、英語の使い方、対話力、文章力、ちょっとづつ、勉強をつんで、力を蓄えてきたとは言え、まだまだ。
バイリンガルに向かって、急成長中の娘に、引き離されないように、置いてきぼりを食わないように、一緒に走っている。(気持ちだけかも。。)でも、英語の世界は、やっぱり英語でないと、しっくり理解できないところが大きく、また、日本語のニュアンスは、英語にはなりきらない部分が強く、私の中に、日本語の文化と、英語の文化の二つの、別々の世界があるように、思う。
ただ、もはや、心臓に毛が生えている?ような状態なので、(根性 座ったという意味です。) この国で、新たに、カルチャーショックを、受けることは、今は、ほとんど無くなったけど。。。
最近は、多国籍文化の、中での生活。 職場にも、ご近所さんにも、アメリカ人、カナダ人、ロシア移民、イタリア移民、イギリス移民、オランダ移民、ドイツ移民、韓国や、フィリピンからの、ビザの人、などなど、、まあ、いろんな血と、ルーツの人が 普通に存在してる。縁があって、関わることのある人達と、文化、宗教、思考の違いを、お互いに、理解しきれず、わからない部分があっても、とにかく、閉じこもらず、伝える。 そして、向こうの立場や、意見に、耳を傾ける。。。。っていう、次なるステージに向かおうと思っています。。。(人間関係って、思い込みと、勘違いと、勝手な想定によって、上手く行かないことが多い。『わからない』『どういう意味?』っていう疑問を、冷静に、伝え、受け止めあえる関係が、ベースにあると、上手く、仲良くなれるようです。『日本人だから、これこれ。。』『カナダ人だから、ちょめちょめ。。』って、思い込んでいると、広がりません。)
『違う』事を、どれだけ、大きく受け入れて、(Accept) 適応 (Adaptation)できるか。。それがきっと、色んな種類の、カルチャーショックから逃げず、乗り越える基本の力。。。。。。なんだろうなぁ。。と、思います。 (生命の進化も、たぶんこの能力のあるものが残って来てる。 ただ、強くて優秀な種が残って来ているわけじゃないんですよねぇ~。)
関係ないけど、ぽかぽか陽気の2月。こんなやわらかい冬に、スポイルされてて良いのでしょうか? まもなく、オリンピック。バンクーバーは、桜が開花しちゃったとか。。。トラックで、雪をせっせと運ぶスタッフの皆さん、ご苦労さまですぅ。。。
4 件のコメント:
あ、同感です~。
こんなに過ごしやすい冬だと、後でしっぺ返しが来そうで、ちょっとおののいてます…。
う~~ん。しっぺ返しは食らいたくないけど、毎年、『やっぱりカナダを なめちゃいけないよな~。。』って、思う日。。。ありますよねぇ。。甘やかされたいけど、甘やかされず、気を締めて!?行きまショウ。
英語が苦手な田中と仲ちゃんのために? 単語と英単語の表記をありがとうです。 仲ちゃんの分まで御礼!
25セントで死ぬまで話せる公衆電話には、田中もカルチャーショックでした。
Thank you と please は、みんな普通に言うよね。ホント、これにもビックリした。
英語独特の、和訳できでない美しい表現は素晴らしいです!
仲ちゃん、生きてるかしらん? もっと、話題に登場させたら、コメントしてくるかなぁ? 日本語は、さることながら、英語の世界、つまりは、言語文化の世界って、深いよね~~。 あくなき興味で、学びの旅は、続く。。。。
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